見出しの偏った情報が一人歩きする
偏った情報が一人歩きすると言うことを実感したニュースを2題。
まず一つ。
このニュースの場合、客観的に『一方的』『継続的』『深刻な』状況かを判断していたものを、『いじめを受けた側がいじめと感じたらいじめ』と、前年と統計手法を根本的に見直しているにもかかわらず、前年とデータを比較して何の意味があるのか、と。
しかも、統計対象が『公立学校」から「国公私立の学校」に変わっているにもかかわらず、である。
記事の中では統計手法が変わっていることに一応触れているんだけど、見出しに「6倍」という文字を出したり、前年と同列のグラフを出した時点で、そっちの印象が強くさせるだけではないかと思うんだが。確かに12万5000件といわれてもぴんとこないかもしれないが、この印象操作は広告だったら一発で公正取引委員会に引っかかるぞ、と。
ちなみに、『いじめを受けた側がいじめと感じたらいじめ』というのは、受忍側が過敏に反応した一時的な冷やかし・からかいをいじめと同列に統計しかねない危うさがある(つまりいじめ件数が多めにでる可能性がある)のだが、このあたりは子供の心理状態って一概にくくれない側面があるから、深くは突っ込まないことにしておくが。
で、もう一つ。
天神岩田屋内の店舗でやっていた賞味期限の張り替えは非常によろしくないことではあるけど(産地の偽装はそれなりの材料を仕入れていたわけで、そこまで目くじら立てることかなとは思わなくもないが)、これをやっていたのが「船場吉兆」ということ。確かに「船場吉兆」の名前を批判するのは大事なんだけど、問題は「吉兆」の名前だけで批判を繰り広げていること。
記事内にも一応書いてはあるが、.「吉兆」は元々大阪・高麗橋が創業で、船場、京都、東京は基本的には「のれん分け」の店で、現在は名前だけ同じの全く別個の会社(「餃子の王将」と「大阪王将」の関係に近い、というとピンと来るかも)。
それを「吉兆」の名前を見出しに出しちゃうものだから…
*船場吉兆の偽装表示、「同じ看板」グループ4社に影響(読売新聞)
確かに同じ屋号は都合のいいこともあるだろうけど、屋号を略しちゃう報道のおかげで風評被害を加速させて、万が一経営が傾く羽目になったら、誰が責任をとるのか、と。
噂のレベルでとどまるのならともかく、報道機関には慎重になってほしいんだがなぁ…とこのブログでも何回か書いたけど、よけいにひどくなりつつある洋に感じるのは自分だけかねぇ…
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