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2005/10/17

靖国参拝・周辺事情の絶妙と微妙

小泉首相が毎年恒例にしたいと考えていた靖国神社への参拝が今日行われたということで…

個人的には、わざわざそんなに参拝のスタイルを崩してまでこだわることかな…と思う反面、絶妙なタイミングと手法に小泉首相のしたたかさを感じずにはいられないというのが正直な感想でしょうか。

この問題がややこしくなっているのは、靖国神社がかつて「国教」的な存在としてとして政府に利用されていたという特殊性と、そこにかつての政治犯の霊がまつられているということだと思うのですけど、それ以上に本当は、現在の靖国神社が独立した宗教法人であって、憲法に謳われた政教分離という面でかなり疑義が残るという点が色濃いようにも思うのですけど、その点にはあまりふれられていないのもなんとなく気にはなるんですけどね…ま、今回はそれはさておき。

今回、小泉首相は私服(といってもスーツですけど)で参拝し、しかも本殿の手前の賽銭箱に賽銭を投げて簡単に詣でただけ。詣でた人物の職業が内閣総理大臣でなければ、一般の初詣客と何ら変わらない状況で参詣しただけなんですよね。つまり、今までのように、内閣総理大臣としての公人ではないという点を特に強調した参詣となっているのが特徴です。そういう意味では、今回はあくまでも私人としての行動であり、今までのような国政のトップとしての行動とは一線を画しているといいたいのではないかと思えるわけです。
で、これに対して周辺諸国、特に中国や韓国が今までと同様の(小泉首相の側からすれば)ヒステリックな反応を示すようならば、逆に中国や韓国が、小泉首相の靖国参拝を政治利用しているという構図を強調する材料を与えるという思惑もあったのではないか、と。
実際、その思惑通りに事は運んでいるようにも見えますけどね。

それともう一つ、元々自民党の中には靖国神社の存在に肯定的な意見が多数を占めることもあり、左よりの人から出されている「無宗教=非・靖国の追悼施設」をわざわざ設立する行為に否定的な意見が多いのも事実かと。
しかも、靖国を支持する団体である「日本遺族会」は自民党の有力な支援団体だし。
と考えるならば、党員の支持を集めるためにも靖国参拝は一つの重要なファクターであるのも事実で、これをやめるわけにも行かないというのも事実だろう、と。
だとすると、今回の参拝は非常に中途半端という印象を与えたような気がするのも事実ですけどね。

まあ、今後今回の参拝がどう評価されるかがしばらくしてみないと何とも言えないと思うんですよね。
左よりのメディアはかなり過敏な反応を示しているみたいだけど、もう少し冷静に考えても良さそうな気がするのかなと、今回ばかりは思う次第です。

【追記:10/22】
今回の靖国参拝については、やっぱり、というか、周囲から非難囂々ですね。
結果的に参拝のスタイルの変更が「(周辺各国からの批判を裂けるための)パフォーマンス」と受け取られてしまったということなんでしょう。
ま、今までがパフォーマンスでのし上がってきた首相らしいといえばらしいんですがね…
いずれにしても、日本遺族会が自民党の有力支持団体であるという構図が変わらない限りは、無宗教の追悼施設の話はおそらく前進することはないでしょうし、靖国参拝の是非はずっと問われ続けることになるんでしょうねぇ。

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