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2005/09/05

マニフェスト思いっきり斜め読み

前回の参議院選挙あたりから本格的に使われるようになってきた「マニフェスト」。
選挙公示期間中に政党がこれを更新して掲載すると公職選挙法違反になるらしいんですけど、この際なので(なんじゃそりゃ)各党のマニフェストをざっくりと読んで、個人的意見をば書いてみようかと。

もちろん、本当は全文をくまなく読んで一つ一つにつっこみを…ってできるといいのでしょうけど、そこまでの余裕がなかったのでここら辺でご勘弁を…

※あらかじめ言っておきますが、私はどっかの政党に与する立場ではないということを申し上げておきます

自民党
「郵政民営化こそすべての改革の本丸」などと、まー思い切った表現をしていますけど、小泉首相が異常なまでに執念を燃やしている郵政民営化がすべてに優先される争点ではないのはみんな分かり切っていることで、ここら辺は差し引いて考えるとしても…
HPに掲げてあったを見て正直「おいおいおい」って思っちゃいましたよ。

確かに、郵政民営化が官製事業の再構築のきっかけになる可能性は秘めているかもしれないけど、郵政事業も所詮は現業部門なので、「官のスリム化」「官製事業の民間開放」あたりは別に郵政民営化が無くてもできる話だろうと思う(むしろ郵政民営化とは切り離して独自に考える必要があると思う)し、ましてや郵政民営化をもって「国にしかできないことに国の力を集中」というのは、年金制度改革や三位一体改革が結果的に国(官庁)の圧力で頓挫しかかっている現状を考えると、こりゃまたこじつけもいいところではないか、と。(苦笑)
もし本気でそう思っていたんだったら、小泉首相が就任当初になぜ郵政の(公社化ではなく)民営化に手をつけなかったの?っておもっちゃいますけど…

民主党
自民党の郵政一点豪華主義に対して、なんつーか「幕の内弁当」的とでも言いましょうか、有権者が気になりそうなところはほぼすべて案を網羅してあると言いましょうか。
とはいえ、基本的には前回のマニフェストの焼き直しをベースにして、岡田政権500日プランを加えてみました、ってな印象がするのが正直な感想で。

とはいえ、これらの政策に「自民党的施策の否定」以外の一体感がいまいち見られない(8大項目とは謳っていますけど、逆に言えば8つをさらにはまとめきれない)のが、わかりやすさの面では自民党と比べるとやや弱点になっているのかな、と。
それに、前回のマニフェストを踏襲しているのか、もはや実現不可能と思える内容(10月に民営化が決まっている道路公団の廃止と高速道路の無料化とか)も盛り込まれているようで、練り直しがどこまで進んでいるのかはよく読んでみないと何とも…というのもあったりして。

まあ、つまるところ、一言で言えば「どれもがんばれば実現できそうだけど、これがすべて本当に実現できたらすごいよね」ってあたりではないかと、いろんな意味で。

公明党
正直な話、連立与党の中で小泉政権樹立以来単なる集票マシンと成り下がりつつある印象すらある公明党で、自民党ほどマニフェストが単純になっていないのがジレンマを感じられるところかな、と。(苦笑)
「社会保障」や「安全・安心」などで何とか独自色を出そうとしているものの、ざっと読むと総じて自民党のマニフェストとそれほど大きな違いが無く(連立与党をくんでいるから当然なのかもしれませんけど)、今や内閣のブルドーザーと化してしまった小泉首相にブレーキをかけ切れていない印象がマニフェストからも伝わるなぁ、と。

強力な支持基盤があるから…とはいえ、内容的に貧弱というか独自色が出てこないなぁと言うのが正直な感想です。

共産党
いきなりタイトルが「たしかな野党」って、実際問題としていくら政権奪取に現実味がないからといって、小選挙区の大部分で立候補者を擁立している政党がいきなりこの表現はいかがなものかと。これじゃ、プロ野球とかJリーグのチーム幹部が開幕前に「今年は優勝ではなく3位をねらいます」って言っているようなものですからねぇ…覇気に影響しなきゃいいんですけど。
そもそも、マニフェストって「政権公約」であって、単独でも連立でも政権を取ったらこうしますっていう選挙上の約束事だから、最初から野党を目指すならマニフェストって呼ぶ必要ないじゃんとも思うんですが…それはさておき。

で、中身はというと、基本的には政党の支持層の受けの良さそうな文言が並んでいますけど、実際問題として実現性に乏しいよなぁというのが正直な感想。
法人税や所得税の累進課税の強化を検討しているようですけど、今の日本でそれをやっちゃったら、生産拠点や生活の拠点を海外に移されちゃって、逆に産業の空洞化を招かないのかなと心配になっちゃいますけど。

社民党
格差是正・護憲を謳っている部分は、なんとなく共産党と相通じる部分が見えてしまって、独自色を出すのに相当苦労している気がするなと言うのが第一印象。その一方で演説で強調している護憲のことをマニフェストでは比較的後の方で述べているのがちょっと意外かな、と。
個々の中身を見てみると、なんとなく総花的というか、気持ちはわかるけどたとえば福祉充実のための財源など、実現のためのスキームをよく練っているの?って気がするのが正直な感想。(ここら辺は共産党の政策にも言える部分があるんだけど)
ある種のわかりやすさは確かにあるんだけど、逆に言えばわかりやすさしかない(具体性に乏しい)とも言えるかな、と。

◇国民新党・新党日本・新党大地
解散から結党までのスケジュールと公職選挙法のかねあいもあって、HP上でマニフェストを確認できないのだけど、どこもきわめて抽象的だなと言うか、やりたいことがきわめて見えてこないのが正直な感想。
国民新党・新党日本などは、郵政民営化反対以外は自民党とさほど変わらないというのが正直なところだろうし、新党大地もやっぱり昔の自民党とそう変わっていないのかな、と。

てな具合でざっくりと見てきたけど、まさかこれが公職選挙法に引っかかったりしないよねぇ…とは思うのだが。(ちなみに自分はきわめて無党派です)

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