最近のトラックバック

2013年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

このブログについて

« 個人情報保護法の運用批判を眺める | トップページ | マスコミは政策よりも政変がお好き? »

2005/08/09

衆議院が解散して…

というわけで、郵政民営化法案の参議院本会議での否決を受けて衆議院が解散したわけですが。

それにしても、参議院での否決はなんとなく見えていたような部分がありましたけど(元々衆議院よりも与野党の議席差が接近していたというのもありますし)、17票差というのは思ったよりも大差になったなという気はしますね。
もちろん、これらの中には、純粋に民営化に反対というのもあるでしょうし、あるいは法案に反対、さらには法案の審議過程や、小泉首相の政治手法そのものに反対というのもあるんでしょうけどね。

ところでこの解散、最初のとっかかりの部分でハプニング的に語られることが多いみたいですけど(参議院で否決されたのに衆議院を解散とか)冷静に考えれば考えるほど、起こるべくして起こった解散…というか、小泉首相は解散に打って出るしかなかったような気がしてならないんですよね。

というのも、そもそもは小泉首相は「党内での支持基盤」以上に「国民の(ブーム的な)支持」をバックボーンにして首相になった人ですから、自分の遂行しようとする施策、とりわけ一連の構造改革に関しては党が大反対しても「国民はこれを望んでいる」との信念(というと多少言い過ぎかもしれませんが)に基づいて強硬姿勢を打ち出してきたところなんですよね。(本当はかなりの部分を丸投げしていたのも事実ですが)

ところが、自分が本当に一番やりたかった郵政民営化に関しては国民の関心がさほど高くならない。
実は年金やら外交やら課題が山積にもかかわらず、「構造改革の総本山」とのキャッチフレーズとともにすべてに優先して議論を進めようとして注目を集めようとしても、政治生命をかけてまでリーダーシップを発揮しても、やっぱり国民の関心が高くならない。

であれば、考えられる手は2つしかないのだろうと思うわけですよ。

(1)多少強引にでも法案を通して、とりあえず「郵政民営化する」という道筋だけはつけてしまう。
(2)法案が通らなかったら、「反対者は抵抗勢力」とおきまりのフレーズを出して、郵政民営化を国民に問う=解散総選挙に打って出る

で、結果的に(2)を選択したのだろうという訳なんだろうと思うんですよね。

ただ、ここで小泉首相は2つほど見込み違いをしている可能性が高いんですよね。

一つは、郵政民営化が選挙の主たる争点とならない可能性がかなりあるということ。
首相は事あるごとに「これは郵政民営化解散だ」「自公で過半数をとったら再度法案を提出する」などと息巻いていますし、造反議員を公認しない方針を打ち出して、何とか郵政民営化を選挙の主たる争点にしようと躍起になっていますけど、政権奪取の最大のチャンスと見込んでいる民主党はたぶんこの挑発に乗ってこない可能性が高いんですよね。
確かに、民主党は労働組合を大きな支持基盤にしていたりしてこの点に乗ってこれないという面も否定できないですけど、そもそも国民が郵政民営化にあまり関心が高くなかったのは、もっと重要度が高いと認識している年金だとか外交だとか景気対策だとかを郵政民営化のために後回しにしているからという側面が強くて、たぶん民主党がついてくるのはそのあたりになるんだろうと推測されるからなんですよね。
加えて、郵政のことを表に出さないことで、自民党の支持基盤でもある「特定郵便局長会」からの造反を引き込める可能性もあると踏んでいる節もなんとなく伺えるのもあるんですよね…

もう一つは、造反議員を公認しない、追加公認もしないという方針が裏目に出る可能性をはらんでいると言うこと。
そもそも郵政民営化に反対している議員というのは地方部の議員が多くて(そりゃあ、実情からすれば合理化の真っ先の標的にされるのは地方部の郵便局でしょうから)、なおかついわゆる「地盤」が強固だと言われている人たちばかりなんですよね。
自民党執行部は対抗馬をたてるという方針のようですけど、逆に造反議員に返り討ちに遭う可能性がかなりありますし、対抗馬と共倒れになる可能性も高いと思われるんですよね。(小池環境大臣が立候補予定らしい東京10区なんか、その典型になりそうな予感がぷんぷんしていますけど) だとすると、結果的に民主党に漁夫の利を与えてしまうだけのような気もするわけでして…

ま、どうなるかは9/11になってみないとわからないというのが正直なところなんでしょうけどね。

【補足】
以前の記事もご参考までにご覧くださいませ。
なお、郵政民営化そのものに関する論評はまた別の項で行いたいと思っています。

« 個人情報保護法の運用批判を眺める | トップページ | マスコミは政策よりも政変がお好き? »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15366/5385429

この記事へのトラックバック一覧です: 衆議院が解散して…:

» 郵政解散 プロレスがリアルファイトに [ガ島通信]
プロレス国会は最後まで面白いな〜と思っていたら、本当に解散。ちょっと驚きました。ギリギリの攻防をしたが、やっぱり可決すると予想していましたが大外れ。先週前半の段階では、マスコミ各社も本気で解散する(つまり本気で否決する)と思っていなかったようですが、週末....... [続きを読む]

» 郵政民営化関連法案否決 [猫手企画@新聞屋]
さぁ仕事仕事w 国債大丈夫?と心配したりw 景気回復誰がやる?とあきらめたりw 選挙の経費は誰の金?なんてw 新聞にとっては朗報かもねw おっ号外が行ったw 追記:こんなバカなエントリに1500アクセスも訪問頂きありがとうございます。    選挙が絡みますので、これ系ネタしばらく口を慎みます。ご了承ください。... [続きを読む]

» リベ、フィガロと来たらル・モンドも紹介せねばなるまい(小泉「自爆解散」について3) [鯖田鮫蔵的批評 (&リベラシオン抄訳)]
 フランスでも日本の政局が詳しく報道され、小泉が「HENJIN」と呼ばれていることまで紹介されていることはすでに書いた。(「仏リベラシオン紙でも小泉「自爆解散」が早速報じられているよ」、 「仏フィガロ紙でも小泉「自爆解散」が報じられているよ」)  さだま... [続きを読む]

» 衆議院解散の意味 [ロンドン投資銀行日記]
非常に残念な結果になった。亀井静香氏など国民の聞きたいことしか言わない無責任な発言を繰り返す政治家が支持される世の中にさすがに頭にきた。政策はマジックじゃないんだから、何かを達成しようとしたらコストもかかるしいいところ取りはできないんだ。一般人で今回の事件の意味をきちんと把握できている人があまりに少ないのでここで整理しておこうと思う。 緊急号外として書き下ろしてみました。長いですが是非多くの人に読んでいただければと思います。 産業として成立していない日本の銀行業: 全国銀行全ての償却前... [続きを読む]

» ネットTVで反対派荒井広幸氏(参院議員)の話しをじっくり聞きました。いや~ぁ、小泉の"郵政民営化"なんてとんでもないナ。 [雑談日記 (徒然なるままに、、。)]
インターネットTV、VIDEONEWS.COMでじっくり聞きました。http:/ [続きを読む]

» 郵政民営化と金の流れを図に描いて考えてみました。 [雑談日記 (徒然なるままに、、。)]
 要するに、問題点は次のようなことらしい。  郵政民営化法案は何度も修正された上 [続きを読む]

« 個人情報保護法の運用批判を眺める | トップページ | マスコミは政策よりも政変がお好き? »