なんのための「納税番付」だったのか?
昨日、毎年恒例となっている「高額納税者番付」が公表されましたが、個人情報の保護などの観点から、どうやら2006年をめどに廃止を含めた大幅な見直しが行われることになりそうです。
まあ、その辺の流れはこのご時世ですからそうだろうとしても、よく考えてみると「高額納税者番付」っていったい何のために公表が行われていたのか考えてみると、いろんな意味でいまいちしっくり来ない部分があるのは否めません。
そもそも、高額納税者公表制度というのは「高額所得者の所得金額を公示することにより、第三者のチェックによる脱税牽制効果を狙う」というものだったはずなのですけど、今や個人事業者の会社設立や、その他様々な手法による「節税」という名の合法的脱税が当たり前のように行われている(というか、これをしないと馬鹿なやつとすら見られてしまう)現状に於いては、その点ですでに前提条件が崩れているように思えるのですよね。
また、基本的には期限内に納入した1000万円を超える納税者は全員公表されるために、報道機関が勝手に(苦笑)部門別番付を作成、しかもお節介なことに推定所得まで計算してランク表示してしまう状況に至っては、単なる興味本位以外の何者でもなくなってしまっているのではないかと思えるのですよね。
確かに一般的に野次馬的興味があるのかもしれないけど、いまや人の収入を見て「はぁ~」というだけしかなくなっているような気がするんですよね。芸能人や作家などのランキングなんかにしても、露出度や著作の売り上げと収入が比例しているわけではなくて、かえって興ざめか、と。
昨今の事件報道にしてもそうですけど、結局情緒的なものとか興味ばかりを煽るだけ煽って「これが一般的興味」などとうそぶく姿勢にはかなり辟易しているんですけど、どんなもんなんでしょうね…
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