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2005/03/28

ニッポン放送騒動の「総括みたいなもの」(メディア論編)

というわけで、前回の続き。
今回の騒動で持ち上がったもう一つの側面である、「メディアの行く末」論について考えてみたいと思います。

今回の一件で、フジサンケイグループをはじめとする既存マスメディアは、結果的に自らの媒体に固執し、インターネットなどの通信系メディアとの融合についても「基本は電波系メディア」というスタンスを明らかにしたような気がします。
一方で、ライブドアは既存メディアのあり方に対するアンチテーゼこそ提示できたものの、残念ながら今回はそれ以上のものが見えてこなかったという感じがしています。

結局のところ、このスタンスの大きな相違が、今回の騒動の解決をややこしくしてしまった要因ではないかと思うのです。

フジサンケイグループ側の言い分としては、インターネットとの融合は数年前から模索しており、今更ライブドア(をはじめとするネット産業)からどうこう言われる筋合いはないというスタンスで一貫しているようです。
確かにニッポン放送は「ブロードバンドニッポン」などブロードバンド事業にかなり目をつけていた節は伺えるのですが、いかんせん「基本はラジオ」というスタンスを崩していないため、結果的に別物としてインターネットラジオを製作し、その高コスト構造とさほど劇的な効果が見いだせていないことから「しばらく様子見かな」という結論を見いだしているのではないかと思われるんですよね。
もう少し踏み込んで云えば、「基本はラジオ」という基本スタンスを崩せない以上は、インターネットと融合させてもこれ以上のシナジーは見込めないという結論をすでに出しているような節が伺えます。

一方、ライブドアの側。
インターネットが普及したとはいえ、一般に「放送メディア並みに浸透した」というレベルまで持って行けていないというのはおそらくライブドア自身がひしひしと感じているのではないかと。なにせ、ブロードバンドとはいえ下りのスピードは放送に比べればまだまだ及びのつかないレベルだというのは確かですし、インターネットも使いこなすのにそれなりの装置とそれなりの知識が必要というのは厳然たる事実ですし。
もう一つのファクターとして、既存の放送メディアは「情報にフィルターをかけている」という側面があって、そのことに対する不満がライブドア自身にも、ライブドアの顧客たるインターネットユーザーにもあるということがわかっている。そのためには、情報にフィルターをかけない、今までにない放送メディアの存在がほしかったという面もあるような気がしています。

これらを踏まえて、敢えてライブドア側に戦略的ミスがあるとすれば、最初から「大物狙い」で行ってしまったということでしょうか。
確かにフジサンケイグループの株式構造にいびつな面があるというのは、資本提携をてこに業務提携を狙いに行くためには重要なファクターだろうと思いますが、もし純粋に友好的な業務提携を狙いに行くのだとすれば、最初に狙うのは大規模なネットワークを持ち合わせていない独立UHF局(TVKとかサンテレビとか)あるいは三大都市圏の周辺地域にあるラジオ局(栃木放送とかKBS京都とか)ではなかったのかな、と。こちらの方が、組織がさほど大きくない分だけ意志決定も早いでしょうし、むしろこういう放送局ほどインターネットを使った全国的な(あるいは世界的な)ネットワーク網を渇望しているのではないかと思うのですよね。素人的な読みですけど。
(ネット銀行でも提携先に選んだのは、首都圏進出を狙っていた第二地方銀行の西京銀行でしたよね)

堀江社長の「テレビを殺す」的な刺激的センテンスをことさらに大げさに取り上げてライブドアのスタンスにしてしまうという既存メディアの「対岸の火事」的、あるいは「防衛本能」的騒ぎぶりにははっきり言って辟易していますけど、いずれにしても今回の騒動がメディアのあり方がどうなるかを探るのには非常にいい機会となったように思います。
単純に既存マスメディアがネット産業の積極的参入を毛嫌いしているうちは、マスメディアそのものの顧客(=視聴者・聴取者)離れが加速するだろうと思っていますし、まあどうなるかはかなり微妙なような気がしますけどね。

ちなみに私は、インターネットが今以上に使いやすくなれば(あるいは、本当にみんなが辞書・辞典を調べるかのごとくインターネットを使いこなせるようになれば)ネットがマスメディアを上回るのはかなり確度が高いとは思うのですが、なかなかそうはならない現状、あるいは大量の情報伝達という面で既存マスメディアがインターネットに勝っている現状からすると、双方に一長一短の状態が続くのではないか(それこそ、テレビがこれだけ普及してもラジオが生き残っているように)と思うのですが、いかがでしょう?


P.S.そうやって考えてみると、これだけ価値観が多様化している中で、視聴者・聴取者の好みを最大限に生かそうとし、ネットとの連携ももっとも積極的に取り組もうとしているのは、実は他ならぬNHKだったりする…と思うのは私だけでしょうか?(そういえば、NHKがネットニュースに参入しようとしたら各民放が猛反発していましたっけ…)

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