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2005/02/15

「メディア企業」か「報道機関」か(続・ライブドアの「戦略」)

前回の記事から、いろいろと動きがあったようですね。
フジテレビはニッポン放送のTOB目標を25%に引き下げて当面の目標をフジテレビへの議決権の排除に切り替え、これに対しライブドア(の堀江社長)は(フジテレビのニッポン放送持ち株比率低下=フジテレビへの議決権の復活を狙った)増資をほのめかし、市場はこれに嫌気を誘ってか、14日の取引でニッポン放送株は大幅安、などなど…

ここまで見ていて、フジテレビがTOB価格のつり上げに踏み切るかどうするか見物でしたが、当面は自らの防御に動いたという事のようですね。
堀江社長の言っていた増資については不確定要素も多いでしょうから、現時点では本人の発言の通り「一つの可能性」のレベルなんでしょうけど、可能性はあるということで。

で、堀江社長が「社長日記」でも書いていたのですが、

色々な思惑が渦巻いていますが、単なる転売目的でこんなリスクとりませんって。ウチは、ヘッジファンドじゃないんだから。目的はニッポン放送を中心としたフジサンケイグループの価値向上ですよ。報道ではよくフジテレビによるグループ防衛策~、とか言っていますが、何から何を防衛しようとしているんでしょうか?なんでウチが敵になるんでしょうか?危害を加えるどころか、価値を向上させようと言っているのです。株主にとっても社員にとっても視聴者(消費者)にとってもいいことだと思いますが。
とか
私たちライブドアと資本業務提携すれば、フジサンケイグループの株主・従業員・取引先の多くに対し今まで以上のベネフィットを与えることができる。私たちから守るものは何もない。だって敵ではないのだから。面白いことやろうよ!
という記事の趣旨からすると、堀江社長はフジテレビ(そしてその実質的「親会社」であるニッポン放送)をフジサンケイグループという「メディア企業」グループの中核だと考えているような節が見受けられますね。

もし、フジテレビ側が堀江社長の言うように自分たちを単純にメディア企業グループの中核だと考えているならば今回の件はさほど忌み嫌うような話ではない筈なんですが、フジテレビはこれを頑なに拒んでいる。
で、その理由を考えると、一番思い当たるのが、

フジテレビ(の中枢にいる人たち)は
自分たちを、まず「報道機関」としてとらえている
と考えるのが一番自然ではないかと思われるんですね。

新聞社をはじめとする報道機関は(おそらくは戦前のいわゆる「大本営発表」報道に対する反省として)外部からの何らかの介入に対して非常に厳しく見る傾向があるように思われます。NHKと朝日新聞に関する件で、「自民党幹部に放送内容を事前に説明したこと自体が問題」と一部の報道機関が伝えたのも、ここら辺に起因しているのでしょう。
で、これが経営思想にも反映しているというか、いわゆる5大日刊紙(朝日・毎日・読売・産経・日経)とその実質的傘下にあるテレビ・ラジオ局は、グループ内で相互に経営に参画することで、自社グループ以外の企業による経営参画を基本的に認めたがらない傾向にあるとおもわれます。
これは、特定企業に偏らない報道というのをアピールする効果はあるのかもしれませんが、結果的に自社グループ内のテレビやラジオ番組、あるいはスポーツチームの情報を特に強調して取り上げていることで、事実上崩壊しているようにも見えるのですけどね…

では、果たしてフジテレビは報道機関なのか。
確かに「News JAPAN」などの比較的良質(同時間帯の民放ニュースの中では余計な特集や解説が少ない、という意味です)な報道番組もいくつかありますし、重大事件が起こった際には通常番組を飛ばして報道特別番組を伝えています。
しかしその一方で、民放の宿命と言うべき、視聴率を重視した営業戦略を取っており、通常のいわゆる「ゴールデンタイム」に報道番組は皆無に等しい(敢えて言えば午後9時前の5分間ニュースだけ)状態で、代わりにドラマやバラエティなどエンターテイメント性の強い番組がずらりと並んでおり、それが視聴率=営業上の優位性に結びついているわけですよね。そういう意味では、フジテレビを報道機関と言い切ってしまうには、私自身は若干の抵抗感を覚えるのが正直なところです。
なお、このことはフジに限らずどの民放にも言えることで、報道傾向に若干特色のあるテレビ東京(日経系)を含めても、総合デパート型のテレビ局が横並び状態で並んでいる状態な訳です。このあたり、(ニュースを含めた)専門チャンネルの充実している欧米とは一線を画していると考えるべきなんだろうと思いますね。

ライブドアが狙っているのは、テレビの持つ「報道機関」的特質にWebの持つ速報性を加味し、テレビの「エンターテイメント性」をポータルサイトに反映させて相互に強化させる…ってあたりなんでしょうけど、さっき言ったような状況からすると、フジテレビがどこまで「報道機関」としての独自性へのこだわりを捨てられるか(あるいはこだわりを貫くのか)、さらにはライブドアがこの「こだわり」を理解するのか否定するのか…という点がこれからの動きの鍵になってくるんでしょうね。

【追記:2/19】
今日になって、政界関係者の批判的発言が相次いでいるようですね。株式取得方法に関して道義的に疑問という意見はともかくとして、ライブドアが(今回のような手法で)放送業界に参入することそのものに批判的な発言は個人的にいかがなものかと。
今回のケースは、資金調達にたまたま外資系証券会社を利用したというだけのような気がするのですけど。(そのおかげで、空売りという「しっぺ返し」を食らっているのもまた事実ですが)
まして、電波系メディアは基本的に総務省の許認可事業なので(だからこそライブドアが既存メディアの買収に動いたわけですけど)、政治家がうかつに発言すると、外部から下手な勘ぐりをされるだけのような気がするんですけどねぇ…

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