公務員の国籍条項(新聞読み比べ)
すでに盛んに報道されているとおり、東京都が管理職(おそらく主査以上なんでしょうな)への昇進に国籍条項を設けていることは憲法に違反するか否かという裁判で最高裁大法廷が「憲法違反ではない」との判断を示したとのこと。
公務員という公権力を扱う仕事だけに、評価が分かれるところかもしれないが、結局は「自治体の裁量の範疇」という判断を示したといえるのかもしれない。
私自身は、日本版「グリーンカード」(永住権資格)でもあれば一定の範囲で管理職になるのはありかなと思う反面、いわゆる三役や、これに準ずる総務セクションの幹部に外国人を登用可能とすることにはかなりの抵抗感があるんではないのかなと思うのが正直な感想なのですが。
で、このニュース、各主要全国紙の社説を見比べると、各社のカラーがはっきり出ていておもしろい。
とりあえず表題だけをかいつまんでみても…
朝日=外国籍管理職――時代が分からぬ最高裁
毎日=国籍条項訴訟 住民の意思が門戸を広げる(追記:毎日だけ28日付けの社説)
読売=[管理職試験訴訟]「『日本国籍』明確にした最高裁判決」
産経=【主張】国籍条項訴訟 常識にかなった合憲判決
日経=外国人任用で最高裁初判断
というわけで、「左」といわれる朝日(当然のごとく批判的)と「右」といわれる産経(当然のごとく肯定的)で判断が真っ向から分かれ、読売がやや右より、毎日がやや左より、「民尊官卑」の傾向が激しい日経は経済が絡まない記事には客観判断のみ(笑)。
まあ、新聞を読み比べる際には(私は、重要なニュースほど、各紙の記事を読み比べるべきだと思っています)だいたいこういう判断でいいんではないかな、と改めて思う次第ですな。
(ちなみに、今回の私の考えに一番近いのは日経でした)
【追記:1/28】
毎日は一日遅れで社説に取り上げていました。(当初と本文をちょっといじっています)
この話題、ブログ上でもかなり様々な取り上げ方をしていましたが、この裁判の原告(鄭香均さん)の裁判後の記者会見での発言と態度にかなりの批判が集まっているようですね。
自分の考えを否定されたわけですから、まあそれなりに感情的になるのもわかるんですが、(自分がこの記者会見を見ていないというのもあって)これに対して私自身はどうこう思う部分は皆無に近いですね。
国籍条項そのもので人格を否定しているわけでもないと思うので…
【再追記:2/3】
朝日の社説は、一般向けには一週間で見えなくなってしまうようですね。今日現在、File Not Foundになっていました。(会員向けには3ヶ月閲覧できるといううたい文句のようですが、それだけのために会員になるのもどうかと思うので…)
しかし、国籍の云々について、これだけ話題になるのも日本ならではという気がしなくもないですね。
戦後60年、ナショナリズムを語ることがなんとなくタブーにされてしまっているせいでもあるのかもしれませんが…
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